今回は決算書を作成する上で税務調査で指摘されない決算書の作り方について記事にしてみたいと思います。
日々の仕訳作業でご参考にしていただければと思います。
いきなりポイントからお伝えしていきます。
調査で指摘されないためにまずチェックするポイントは、
・売上漏れがないか(特に期ずれ)
・売上に対応しない原価はB/Sになっているか
・在庫(棚卸資産)の適切な評価と計上
この後順番に見ていきます。
売上漏れがないか(特に期ずれ)
売上漏れがないか?については「???」と感じる方もいるかと思います。
請求書も発行しているし、きちんと毎月入金もされているし、入金は売上にもなっているけど問題あるの?と思う方もいるでしょう。
ただ末締め翌月入金の売上の場合、期末に発行した売上は翌期に入金されることになるため、入金ベースで売上を計上していれば、期末月の売上は計上していないこと(計上漏れになっていること)になります。
税務署は1番最初にここを見てきます。
経費については解釈の違いでなかなか一発アウトになることは少ないのですが、売上計上漏れが発覚した場合は一発アウトになる可能性がかなり高くなります。税務署側も課税しやすい(納税者側も言い逃れしずらい)論点なのです。
もちろん、計上漏れの全てが否認されるかどうかは調査官との交渉次第にはなってくるのですが、もともと計上漏れがないに越したことはないでしょう。
そのため、発生主義を採用し、その月に完了した売上は毎月計上していくことがベストですが、決算の月だけは必ず以下を確認しておく必要があります。
・決算月に引き渡しやサービスが完了したものは請求書の発行月にかかわらず、売上計上する
この場合入金が翌月であれば「売掛金」として売上を計上することになります。
ここだけは必ずチェックするようにしましょう。
売上に対応しない原価はP/LではなくB/Sに計上されているか
売上に対応しない原価は決算において最終的にB/Sに計上されることになります。
どういうことかというと、売上に対応しない原価(売上原価ではないもの)、つまり以下のようなものはP/L計上でなく、B/S計上されることになります。
①12月決算の会社が12月に仕入れた商品を12月末時点でまだ販売していない(12月の売上にはなっていない)
仕訳)
(借方)仕入高 ××× / (貸方)現金預金 ××× ⇒×
(借方)商品 ××× / (貸方)現金預金 ××× ⇒〇
②12月決算の会社が外注先に依頼した商品やサービス自体12月末までに完了しているが、まだそれに対応する売上が12月までに完了していない(売上にはなっていない)
仕訳)
(借方)外注費 ××× / (貸方)現金預金 ××× ⇒×
(借方)前払金 ××× / (貸方)現金預金 ××× ⇒〇
①の仕入高も②の外注費も会計上は「売上原価」となっていますが、売上が0円のため先行して経費だけが計上されている状態(利益が圧縮されている状態)となっています。
税務の考え方としては、上記のように売上を上げるために仕入れた商品や外注費は売上に対応するものだけが損金(税務上の経費のようなイメージ)として認められています。税務署側も利益を圧縮させる(税金を減らす)先行経費は認めてくれません。そのためこちらも売上計上漏れの次にチェックされる可能性は高まります。
そのため注意しないといけないポイントとしては、売上原価は売上が0円ならB/S計上(商品や仕掛品、前渡金)にしないといけないし、既にB/S計上されていれば、売上が計上されたタイミングで売上原価(P/L計上)に振り替える必要があります。
こちらも必ずチェックするようにしましょう。
在庫(棚卸資産)の適切な評価と計上
在庫が少ないと、その分売上原価が増えるため、利益は少なくなります。
これが故意か過失かに関わらず脱税に繋がってしまうわけです。ここについても調査官は厳しくみてきます。
業態や取引の種類が変わらない限り毎年粗利率はそう大きく変わらないはずです。これがある年に在庫金額に誤りがあったことで粗利が急に少なくなったり、多くなったりしていると、税務署は「なんでこの年は粗利が増減しているの?確認してみよう!」となるのです。
そのため、特に期末に仕入れた商品でまだ販売していないものが在庫金額に含まれているかはきちんとチェックしましょう。
「うちは商品を仕入れる商売でないから関係ないか」と思っていても例えば外注で何か制作を依頼していて販売するビジネスモデルの場合、期末にまだ完成していないものは「外注費」ではなく「仕掛品(棚卸資産)」になるのです。
「仕掛品計上漏れ」が意外と見落とされがちですので注意したいものです。
まとめ
今回は調査で指摘されない決算書の作り方について(売上及び売上原価編)を書いてみました。
今後は販管費編も記事にしてみたいと思います。
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