法人を新しく設立した、個人事業主から法人成りしたという方で税理士の顧問を検討している方向けに今回書いてみようと思います。
そもそも、税理士との初めての契約の流れがわからず、不安に感じる方は少なくないでしょう。設立当初は初めてのことが多く、戸惑いや不安が重なることもあるかと思います。そんな時に、税理士との出会いが、不安や悩みを少しでも解消する助けになればと考えています。
では、具体的にお問い合わせいただいてから税理士との面談でどんな流れで顧問契約まで進めていくか説明していきたいと思います。
結論からいうと
1 事業内容のヒアリング
2 会計入力の進め方の決定
3 報告の方法を決める
4 顧問契約
という流れとなります。
ではここから具体的にみていきます。
事業内容のヒアリング
まずは、ご相談者様の事業内容をヒアリングさせていただきます。
その際、具体的に何を販売し、どのように収益を得ているのかといったビジネスモデルについてお伺いさせていただきます。
ビジネスモデルを確認するのは、その後の会計処理や税務上注意すべき論点を事前に確認させていただくためです。
例えば、「事前にチケット販売でお金を頂いてから、後日持ってきたチケットで鍼灸治療を行う」といったビジネスモデルの場合、会計処理および税務処理はチケットの販売時点では「預り金」、実際にお客さまが持ってきたチケットで鍼灸治療を行った時点で「売上」を認識することになります。
こういった会計処理や税務上注意すべき点がビジネスモデルによって変わってきます。
そのため、誤った処理をしないためにも、最初の段階で必ず確認させていただいております。
ここまでは事務処理上の問題ですが、残り半分は単純にご相談者様とご相談者様の事業に興味があるからです。
税理士という職業柄、法人を設立したり、法人成りを果たしたりする場面に立ち会う機会が多くあります。
そのたびに感じるのは、皆さまの内に秘めた熱意と、自分にはできないことを成し遂げている方々への深い尊敬です。
また、まったく知らない事業内容を知れることや、知っている業種でもビジネスモデルが少し違っていたりしていて、単純にお話を聞くだけでも非常に興味深く、こちらも大変勉強になります。
会計入力の進め方の決定
ここからは今後どのように会計入力を進めていくかを決めていきます。今後、定期的に会社の損益を報告したり、決算や税務申告に必要な数字を作成する作業は、まず会計入力から始まります。
具体的には、以下の点について決定していただく必要があります:
1.使用する会計ソフトの選択
・freee
・マネーフォワード
・弥生会計
・その他
2.会計処理の方法
・ご自身で入力を行う
・会計事務所に依頼する
これらの選択肢について検討し、決定していただくこととなります。
方針が決まれば、必要に応じて資料依頼をさせていただきます。(会計事務所で入力を行う場合であれば入力にあたって必要となるデータを依頼させていただくこととなります。)
報告の方法を決める
報告の方法を決めるとは、会社の損益を「どのように、どのくらいの頻度で」報告するかを決めることとなります。
どのようにとは、例えば対面で行うのか、オンラインで行うのか、あるいは状況に応じて混合して行うかといった打合せの方法を決めていきます。
どのくらいの頻度とは、打合せの頻度となります。一般的には毎月、四半期ごと(3か月に1回)、または年に1回といった頻度が採用されますが、これは会社の規模やその会社に経理がいるかどうかによっても変わってきます。
報告の方法を決めるメリットとしては、「そのタイミングで聞きたいことをまとめて相談できる」といったことや、「そのタイミングで現状の数字を再認識できる」「今後の経営の判断材料となる」といったことが期待できます。
そういった意味で頻度としては、毎月をおすすめしています。
顧問契約
中には顧問契約をまず最初にしてから具体的なことを決めていくといった事務所もあるかと思います。
ただそれだと、本当に大丈夫かな?といった不安は解消されないまま契約という形になってしまいます。
当事務所では、契約締結を急ぐのではなく、まず丁寧な準備段階を設けています。具体的には、今後の業務の進め方についてお客様としっかりと話し合い、双方の理解を深めます。例えば、連絡の頻度や方法、資料の提出時期など、実務的な部分も含めて具体的にイメージを共有します。それにより、お客様に「こういう流れで進むんだな」と納得していただいてから、正式な契約に移ります。こうすることで、後々のミスコミュニケーションを防ぐことにつながります。
最初の段階でしっかりと信頼関係を築くことが大切と考えています。
まとめ
今回はお問合せから月次サポートまでの流れについて書いてみました。
税理士との初期面談でお話をする中でいろいろな疑問点が出てくるかと思います。
そこは気にせずその場ですぐに聞いてもらって大丈夫です。
一般的な契約までの流れは今回ご説明した流れになるかと思いますが、最終的に契約するかどうかは、面談中にこの税理士と合いそう・合わなそうといった肌感覚で大丈夫だと思います。(長いお付き合いになるかと思うので、自分が相談者の立場なら後悔しないように連絡や相談のしやすそうな税理士と契約したいです。)
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